✈️Voyage 71. Shibaのエアラインパイロットになちゃった大冒険記

query_builder 2026/04/12
パイロット 飛行機 フライトスクール 習い事
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✈️ 片道の滑走路


求人は止まり、ビザは下りず、問い合わせのメールに返事はなかった。


昨日まで現実味を帯びていた海外でのフライトの話も、

まるで最初から存在しなかったかのように遠ざかっていった。


部屋の空気だけが、静かに重くなっていく。


ムサウは何も言わなかった。

アフリカ出身の彼にとっても、この状況は決して他人事ではなかったはずだ。


母国に近い大陸が、外国人航空関係者の受け入れを止める――

それが何を意味するのか、彼は理解していた。


ある夜、キッチンのテーブルで向かい合ったまま、

彼が静かに口を開いた。


「今は、どの国も簡単じゃない。特に航空は……時間がかかる」


それは慰めではなかった。

ただの現実だった。


できることは、すべてやった。


連絡を取り、紹介を頼み、可能性のある国を一つずつ当たった。


それでも、進めなかった。


世界は、扉を閉ざしたままだった。


努力では届かない距離がある。

技量では越えられない壁がある。


あの九月以降、それははっきりとした形を持ちはじめていた。


クライストチャーチの朝は、やけに冷たかった。


スーツケースを前にして、私はようやく認めた。


――万策、尽きた。


ムサウは何も言わず、コーヒーを差し出した。


「帰るのか?」


私は、ただうなずいた。


彼は少しだけ笑って言った。


「空はなくならない。また飛べる……」


その言葉だけが、不思議と胸に残った。


逃げるわけではない。

負けたわけでもない。


ただ――ここにいても、前へ進めない。


そう理解したとき、決断は静かに固まった。


日本へ帰る。


選んだのは、片道のチケットだった。


往復ではない。

戻る前提のない選択。


あれほど遠く感じていた故郷が、

そのとき初めて、現実的な場所として目の前に現れた。


空を諦めたわけではない。


ただ、一度――地上に降りるしかなかった。


出発の日。

空港でムサウと握手を交わした。


言葉は少なかったが、互いに分かっていた。


これは終わりではない。


ただ、滑走路を変えるだけだ。


そう信じながら、私は日本行きのゲートへと歩き出した。


今日はここまでにします。


2001年9月、ニューヨークで発生した同時多発テロは、
民間航空機が凶器として使用された、航空史上前例のない事件だった。

この出来事を契機に、世界の航空保安は根底から変わった。

・コックピットドアの防弾化 / 常時施錠
・保安検査の大幅強化
・コックピット立ち入りの全面禁止
・ビザ・入国管理の厳格化

空は、同じ空のままだが――
そこへ至るルートは、まったく別のものになった。

この事件により命を失われたすべての方々へ、心より哀悼の意を表します。


エアラインパイロット憧れ….. 妙な虚無感😿


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