ⅳ　運命の出会い、フライトスクールの交差点で

ATPLコース前日を控え、ちょっと私用で学校までの道を歩いていた。管制塔を目指し青空と潮風に包まれた道沿いに、小さな看板が目に入る──

“Fogarty Flight School”。

「へぇ、こんな所にフライトスクールがあるのか」

と、なんとなく立ち寄ってみた。 そこで最初に出会ったのが、のちに親友となるイタリア人、フランチェスカだった。

彼は人懐っこい笑顔で近づいてきて、まるで昔からの友達のように話しかけてきた。

「Boun giorno! 君もパイロットコース？ちょっと紹介したい人がいるんだ！」

あまりに自然な流れで手を引かれ、気づけばスクールの中へ。 彼が最初に紹介してくれたのが、当時インストラクターをしていた日本人女性、玲子さん。 彼女は落ち着いた雰囲気で、オーストラリアの航空業界事情からライセンス取得の裏話まで、実に丁寧に教えてくれた。

「日本とは制度も働き方も違うからね。こっちではまず経験を積むのが大事なんだよ」

その言葉には実体験からくる説得力があり、こちらもつい真剣に聞き入ってしまった。 だが、この日最大の出会いはそのあとに待っていた。 フランチェスカに連れられて、ちょうどロビーで出会ったのが──のちに無二の親友となる大阪出身のヒロ。 彼は第一声から関西弁全開で、

「おお、日本人か！まさかここで会うとはな！」

と豪快に笑った。 その瞬間、どこか肩の力が抜けて、異国の地で感じていた孤独がスッと和らいだ。 インストラクター、フランチェスカ、玲子さん、そして訓練生ヒロ。 偶然のように見えたこの出会いが、その後の座学生活を大きく支えることになるなんて、その時はまだ想像もしていなかった。

「空を飛ぶために来たはずなのに、地上でこんな出会いがあるとはな…」

帰り道、ふとそんなことを思いながら、沈みゆく夕日を見上げていた。

ということで、オーストラリアのATPLの詳細をあらかじめ語ろうかと思います。 CASA ATPL 理論試験の科目構成 ATPL理論試験は、

以下の7科目から構成されています：

共通科目（全カテゴリ共通）：

Aerodynamics and Aircraft Systems（空力・航空機システム）

Flight Planning（フライトプランニング）

Navigation（航法）

Performance and Loading（運航性能と積載計画）

カテゴリ固有科目（航空機カテゴリに応じて）：

Meteorology（気象学）

Air Law（航空法規）

Human Factors（ヒューマンファクター） 

すべての試験に合格することで、ATPL理論の「クレジット」が得られ、実技の飛行経験時間を満たした段階で、ライセンス発行へと進めます。

ちなみに今回は座学のみなのでATPLライセンス発行までは至りません。

シラバスの主要分野 CASAの「Part 61 Manual of Standards（MOS）」に基づくシラバスでは、以下のような科目分野を扱っており、深い知識が求められます：

Aircraft General Knowledge（航空機の基礎知識）

Flight Rules and Air Law（飛行規則および航空法）

Navigation（航法）

Flight Performance and Planning（飛行性能と計画）

Meteorology（気象学）

Human Factors（ヒューマンファクター）

 Civil Aviation Safety Authority特に「航空機一般」では空力や機体システムの詳細まで、「航法」では地図の投影法や時差計算などの応用論も含まれ、かなり専門性が高いですね。 試験方式と難易度 試験形式：選択式 + 数値記入式の問題。

合格基準：各科目で 70％以上（ただし、Air Lawのみ 80％以上）

 advancedflighttheory.com.au

期間制限：7科目すべてを 2年間以内にクリア しなければなりません。一度に通れば理論クレジット取得となり、次回、合格試験の免除が可能です。

今日はここまでにします。

アラインパイロットの憧れ....７６７のキャプテン思い出してモチベ維持（笑）