Voyage 53. Shibaのエアラインパイロットになちゃった大冒険記!

query_builder 2025/07/22
パイロット 飛行機 フライトスクール 習い事
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ⅹⅳ. CPL試験 降りきれない雲があった。


あの出来事以来、僕の中にひとつ、影が住みついた。


計器飛行試験での不合格――

それは淡々と告げられた“fail”の一言だった。

だが、その一言が、僕の中の何かを確実に揺らしていた。


CPL試験が迫って、頭をよぎるのは冷徹なピート・ディクソンの鉛よりもおもい重圧の記憶…. 

エンジン音の奥に、ピート・ディクソンの沈黙が響いてくる。


それは、まるで低層に垂れ込めた雲だった。

視界はある。でも、どこか霞んで見える。


一度目の試験。


空は青かった。風も穏やか。

ログブックのページをめくるように、ナビゲーション、タッチ&ゴー、すべて順調だった。


だが、マヌーバのセクションが始まると、心がざわつく。


ピートは何も言わない。ただ、となりで静かに座っている。

それだけなのに、心拍数は上がり、グリップを握る手が汗ばむ。


バンク60°での360°ターン――

Gに耐えながら、正確な高度・バンク・スピードを維持する。


でも――


《ちょっと高度が落ちた?》

《ターンイン開始が少し早かったか?》

《彼は何かを書いてる。マズいかもしれない……》


そんな雑念が入り込む。その瞬間、ほんの数フィート、高度が下がった。


マヌーバ終了後、ピートは短く言った。


「That was outside of tolerance.」


その一言で、答えはわかってしまった。その後のデモンストレーションも影響して結果は…..


不合格。😿



二度目の試験


仲間たちは励ましてくれた。「技術はある。あとは気持ちだけだ」と。

でも、“気持ち”というやつが、いちばん制御が難しい。


再び迎えた試験日。集中はしていた。確かに手応えもあった。


航法、ターン、無線通話、すべて流れるように進んでいく。


「もしかして、今日は行けるかもしれない」


そう思った、その瞬間だった。


――スロットルがスッと絞られた。


ピートは、何も言わなかった。


それが、フォース・ランディングの始まりだった。


無作為に、無言で。これがルール。

パイロットは、その挙動に即座に気づき、反応しなければならない。


《エンジン出力ロス、疑似故障か。Wind direction… field…どこに降ろす?》


僕は目を走らせ、ある畑を選んだ。距離、風向き、障害物――一瞬で判断し、進入体勢を組み立てた。


操作にミスはなかった。トラフィックパターンも描けた。


だが、500フィート。

デモンストレーションの判断高度。


その地点で、ピートがぽつりと口を開いた。


「That field is not suitable. You wouldn’t have made it.」


心臓が止まった気がした。


確かに、もう少し広い場所が近くにあったかもしれない。

でも僕は、風と地形を見て、あの畑を選んだ。


判断に迷いはなかった。

それでも、結果は――


不合格。😿😿


二度目の試験後、僕は機体の横に座ったまま、空を見ていた。

雲ひとつない空が、皮肉にも胸に重かった。


あのIFR試験以来、僕はずっとピートの目を意識していた。

“技術”より、“評価”を見ていた。


そしてそれが、判断を鈍らせた。


試験終了後、ピートは短くこう言った。


「Your flying is competent. But you still don’t trust yourself.」


その言葉が、胸に突き刺さった。


技術ではなく、自信の問題。

自分の判断、自分の操縦、自分の“空”を信じられていなかった。


空は、正直だ。


曖昧な判断も、ほんの一瞬の迷いも、すべて返ってくる。


だがそれは、同時に「信じた分だけ応えてくれる」ということでもある。


僕は、あと一度、挑む。


もう誰かの評価に怯えるのはやめよう。

自分のために、自分の空を飛ぶ。


IFRも、マヌーバも、フォース・ランディングも、

全部を抱えて、僕は翼に乗せて進む。


空は逃げない。だから、僕も逃げない。


さぁ、次は――三度目の正直。

結果はいかに。


人生は、困難にどう抗うかで形づくられる。

そして、パイロットとして生きていくということは、失敗を冷静に分析し、それを次の一手に変えていく力の連続だ。


Try & Error

決して華やかな言葉じゃない。だが、それは空の上で生きる者にとって、最もリアルで、最も大切なプロセス。


あの不合格の日々。焦り、落胆、自信の揺らぎ。

けれど、あの経験があったからこそ、今の自分がある。


今、僕はエアラインのコクピットで、何百人もの命を預かって飛んでいる。

あのCPL試験の失敗と向き合った日々こそが、何よりも強い「礎」となっている。


失敗は、過去ではない。

それは、未来の武器になる。


次回――お楽しみに。


エアラインパイパイロットの憧れ  2回落ちるとマジで才能あんのか (当時)😿


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住所:埼玉県北足立郡伊奈町栄

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