Ⅻ. 「I passed.」その一言に、すべての想いを込めて。
もう、本当に──心の底から、疲れ果てていました。
全身の力が抜けて、脳の奥までミストがかかったようにぼんやりしていて、
それでも、ただひとつ「試験に合格した」という事実だけは、確かに自分の中に残っていました。
学校からの帰路、どうやって自分の足で歩けたのか今でも不思議です。
気づけば、ようやくの思いで帰宅。
そして最初の報告相手は、家主のジェーン。
ドアを開けて、一言──「I passed.」
ジェーンはやさしく微笑んで言いました。
「Way to go, Shiba!!」
その瞬間、こみ上げてくるものをグッと堪えながらも、
本当はもっとたくさん話したかったけれど、
私の疲弊しきった顔を見たジェーンは、それ以上何も聞かず、
ただ軽くハグをして、そっとその場を後にしました。
その後の記憶は、ほとんどありません。
ただひとつ覚えているのは、ベッドがまるで磁石のように私を吸い寄せ、
そのまま、深い深い眠りの底へ… ZZZ…
そして翌日。
狭い校内では、合否の情報はすぐに知れ渡ります。
友人たちからは「Congra, Shiba!」の嵐。
その祝福の言葉ひとつひとつが、胸に染みました。
思わず、ポロリ。😿
もちろん、MUSAUからも盛大な祝福を受けました。
そしてここでまだ登場していなかった新キャラ──TEDつながりで仲良くなった
カナダ国籍の台湾人、Danny Sue(今やEVA航空の787キャプテン!)とも、
今では本当に心を許せる“マブダチ”。
彼らと一緒に言ったのは、もうお決まりの一言──
「じゃあ、飲みに行くか!!」
…ええ、もう完全に口実でした(笑)
でも、それでもよかった。
あの夜の乾杯は、疲労も、安堵も、仲間との絆も、すべてが詰まった時間だったのです。
そしていよいよ、次なるステージへ。
この試験はあくまで“通過点”。
次に待ち受けるのは、真のプロフェッショナルへの扉──
Commercial Pilot License(CPL)実技試験。
同期の中では、Sさんに次ぐ速さで進み、
Oさん(たしか、計器飛行のフェーズやってなかったかな…?)にも続いて、
訓練は次のフェーズへと進みます。
CPLの実技では、PPLと比べて求められる精度が段違い。
許容範囲が狭まり、ほんのわずかなズレも許されない。
その中でも一番記憶に残っているのが、60度バンクの急旋回──
しかも、高度をぴたりとキープしながらという、まさに“技術と気合い”の世界。
…というわけで、続きは次回。
これから始まる“プロフェッショナルへの道”、その一歩一歩を、また書き記していこうと思います。
今日はここまでにします。
エアラインパイロットの憧れ… なるには仲間の絆だよ😿
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