✈️海外エアラインへの道― 6カ国・5社を渡ってきた私が見てきた世界 ― Ep8
第8回
海外エアラインへの道は、特別な人だけのものではない
― 私が6カ国・5社を経験して伝えたいこと ―
海外エアライン。
この言葉を聞くと、どこか特別な世界に感じる人もいるかもしれません。
英語がペラペラで、飛行時間もたくさんあって、何でも完璧にできる人。
そんな人じゃないと無理なんじゃないか。
私も、最初からそう思っていたわけではありません。
というより……
そもそも、最初はパイロットになるつもりすらありませんでした。
序章 人生なんて、案外わからない
大学時代、ニュージーランドへ短期留学しました。
その後、ワーキングホリデーでニュージーランドへ行き、そこで仕事をしたり、何か自分で事業をやってみようと考えたり。
当時の私は、まさか自分がエアラインパイロットになるなんて思っていませんでした。
そんなある日、偶然、日本人のフライトスクールのインストラクターと出会いました。
そこで初めて、
「パイロットという仕事がある」
「海外でもパイロットを目指せる」
という世界を具体的に知りました。
そして、そこから人生が大きく動き始めました。
人生って、本当に何がきっかけになるか分かりません。
第一章 最初から順調だったわけではない
もちろん、そこから全部が順調だったわけではありません。
お金の問題もありました。
勉強もありました。
英語もありました。
試験もありました。
そして、海外で生活するということ自体が、今まで経験したことの連続でした。
オーストラリアで訓練をし、ライセンスを取得。
さらにマレーシアへ渡り、DCAの試験を受け、エアラインへの道を探しました。
その後も、国をまたぎ、会社をまたぎ、いろいろな人と一緒に飛んできました。
振り返ってみれば、
6カ国・5社。
自分でも、
「よくそんなに移動したな……」
と思います(笑)。
でも、その一つ一つが、今の自分を作っています。
第二章 海外エアラインは「英語ができれば行ける」世界ではない
このシリーズで何度も書いてきました。
海外エアラインに行くために、英語はもちろん必要です。
でも、それだけではありません。
飛行時間。
訓練記録。
チェックの結果。
過去の勤務実績。
人からの評価。
面接。
そして、
「この人と一緒に飛べるか」
という部分。
海外エアラインの採用では、単純に「飛べるかどうか」だけでは見られていません。
むしろ、プロとして仕事を続けていける人なのか。
チームの中で仕事ができる人なのか。
安全に対して、きちんとした考え方を持っているのか。
そういう部分も含めて見られます。
第三章 「人脈」はコネではない
海外の航空業界は、思っている以上に狭い世界です。
だから私は、
「人脈」というのは、コネではない
と思っています。
「あの人を知っているから採用してもらえる」
という話ではありません。
そうではなく、
「あの人なら一緒に仕事をしても大丈夫」
と思ってもらえること。
それが、この業界でいう「評判」だと思います。
一緒に飛んだ人。
訓練を担当した人。
チェックをした人。
以前の会社で一緒だった人。
そういう人たちとの仕事の積み重ねが、いつか自分の評価になります。
だからこそ、
今日の仕事が、未来の自分を作っている。
私はそう考えています。
第四章 過去は、意外と消えない
航空業界では、これまでの訓練記録やチェック、勤務実績などが重要になります。
つまり、
「昔のことだから関係ない」
とは、なかなかなりません。
だから私は、若いパイロットやこれから目指す人に、
一回一回の訓練を大切にしてほしい
と思っています。
「今日は訓練だから」
ではなく、
「これは将来の自分を作っている時間なんだ」
と思ってほしい。
もちろん、毎回完璧にできる人なんていません。
私だって失敗しています。
大事なのは、失敗しないことではなく、
失敗したあとに、どうするか。
そこに、その人の本当の価値が出ると思います。
第五章 海外で働いて、一番変わったこと
海外で働くようになって、自分の中で大きく変わったことがあります。
それは、
「自分の意見を言うこと」への考え方です。
日本では、
「相手に合わせる」
「空気を読む」
「先輩を立てる」
ということも大切です。
でも、コックピットでは、それだけでは足りません。
危ないと思ったら言う。
分からなければ聞く。
違うと思ったら伝える。
間違えたら認める。
そして、安全のためなら、立場に関係なく声を上げる。
これは、海外で飛ぶことで私自身も学んだことです。
そして、それはパイロットとしてだけではなく、一人の社会人としても大きな財産になりました。
第六章 「準備ができてから」では遅い
海外エアラインを目指す人から、
「もう少し飛行時間が増えてから」
「英語がもっとできるようになってから」
「もう少し経験を積んでから」
という言葉を聞くことがあります。
もちろん、準備は必要です。
でも、
「準備が完璧になったら動こう」
と思っていると、いつまでたっても動けません。
航空業界は、景気や採用状況が変わります。
昨日まで採用していた会社が、突然止まることもある。
逆に、今まで興味がなかった会社が採用を始めることもある。
だからこそ、
準備しながら動く。
これが大切だと思います。
第七章 海外エアラインへの道は、一本道ではない
海外エアラインへの道というと、
「この学校に行って」
「この飛行時間を作って」
「この会社に入って」
という一本道を想像するかもしれません。
でも、実際にはそんなに単純ではありません。
人によってスタート地点が違います。
年齢も違う。
資金も違う。
英語力も違う。
飛行経験も違う。
住んでいる国も違う。
だから、
他人と同じ道を歩く必要はありません。
大切なのは、
「自分はどこに行きたいのか」
を考えること。
そして、
「そこに行くために、今の自分に何が足りないのか」
を考えること。
これが、キャリアを作るということだと思います。
第八章 パイロットは「資格を取って終わり」ではない
私は、ここを一番伝えたいと思っています。
パイロットのライセンスを取る。
これは大きなことです。
でも、
そこで終わりではありません。
むしろ、そこからがスタートです。
飛行機を安全に飛ばす。
チームで仕事をする。
判断する。
コミュニケーションを取る。
失敗から学ぶ。
後輩に伝える。
そして、自分自身も成長し続ける。
パイロットという仕事は、
「免許を持っている人」になることではなく、「プロとして仕事をする人」になること。
私はそう考えています。
第九章 私が伝えたいこと
6カ国、5社。
こうやって数字だけを見ると、
「すごい経験ですね」
と言っていただくことがあります。
でも、自分自身では、
「すごい」というより、
その時その時で、必死だっただけ
という感覚のほうが近いです(笑)。
分からないことがあれば調べる。
知らない人に聞く。
失敗したら修正する。
チャンスがあれば飛び込む。
そして、また次を考える。
それを繰り返してきただけです。
だから、これから海外エアラインを目指す人にも伝えたい。
最初から全部できなくてもいい。
最初から完璧じゃなくてもいい。
でも、
「自分はどうなりたいのか」だけは、考えてほしい。
終章 海外エアラインへの道
海外エアラインへの道は、
特別な人だけに開かれた道ではありません。
ただし、
待っているだけで開く道でもありません。
自分で調べる。
自分で動く。
人に会う。
失敗する。
また考える。
そして、もう一度動く。
その繰り返しです。
私自身も、最初からエアラインパイロットを目指していたわけではありません。
ニュージーランドでの偶然の出会いから始まり、
オーストラリアへ行き、
マレーシアへ行き、
そして、その先へ。
気がつけば、
6カ国・5社。
人生なんて、分からないものです。
だからこそ、
「自分には無理だ」
と最初から決めつけないでほしい。
もちろん、簡単な道ではありません。
お金も時間も必要です。
努力も必要です。
そして、運もあります。
でも、
動かなければ、何も始まりません。
この「海外エアラインへの道」シリーズも、今回で最終回です。 私自身、最初から海外エアラインを目指していたわけではありません。偶然の出会いからパイロットの道に入り、いろいろな国、いろいろな会社で経験を積んできました。 振り返れば、失敗もたくさんありました(笑)。 でも、その一つ一つの経験が、今の自分につながっています。 これからは、そんな自分が経験してきたことを、次の世代に少しでも伝えていきたい。 まだまだ私自身も学ぶことばかりですが、これまでの経験を糧に、技術継承の指導者として、これからも精進していきたいと思います。 これまで読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました。 このシリーズが、これから海外を目指す誰かの、 「ちょっと動いてみようかな」 というきっかけになれば、これ以上うれしいことはありません。 それでは―― また次のネタで..... Good luck, and fly safe! ✈️ SFEの理念👇 https://sorafunentertainment.com/philosophy/ 【Author】 エアラインパイロットの仕事や海外エアラインのリアルについて、実体験をもとに発信しています。 ▶ コラム一覧はこちら👇 https://sorafunentertainment.com/column/✈️代表の一言
✈️「海外エアラインへの道」全8回
Haruo Shibasaki
Founder, Sora Fun Entertainment
Airline Pilot / A320 First Officer
Total Flight Time: 7,000h (A320: 4,000h)📚 関連記事一覧
目次
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