✈️海外エアラインへの道― 6カ国・5社を渡ってきた私が見てきた世界 ― Ep3

query_builder 2026/09/06 エアラインパイロット パイロット テクニカル マンツーマン 資格 飛行機 エアバス 海外 就職 中高生
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第3回 「人脈」はコネじゃない

― この狭い業界で、あなたを知っている人が必ずいる ―


序章 海外は、最初は誰にとっても未知の世界

海外エアラインを目指している人にとって、海外の航空業界は未知の世界です。

日本で訓練を受け、これから海外へ出ようとしているなら、最初から海外に知り合いがたくさんいる人の方が珍しいでしょう。

私自身も、最初から世界中に人脈があったわけではありません。

一つの会社で仕事をする。

そこで人と出会う。

一緒に飛ぶ。

一緒に仕事をする。

その積み重ねの中で、少しずつ人とのつながりができていきました。

私はこれまで、6カ国・5社のエアラインで仕事をしてきました。

その経験を振り返ると、海外でキャリアを築いていくうえで大きかったのは、

「自分が誰を知っているか」よりも、「自分のことを誰が知っているか」

だったのだと思います。

そして、この業界には、もう一つ大きな特徴があります。

とにかく狭い。

今回は、私自身の経験から、海外エアラインを目指す人にぜひ知っておいてほしい「人とのつながり」についてお話しします。


第一章 航空業界は、驚くほど狭い

航空業界に長くいると、本当に不思議なことがあります。

国が変わる。

会社が変わる。

それでも、

「この人、前に一緒に飛んでいたな。」

ということがある。

私自身、海外で仕事をしていて何度も経験しました。

以前の会社の同僚と、別の国で再会する。

昔一緒に飛んだ人が、別のエアラインで働いている。

訓練時代に知り合った人が、後になって別の会社で重要なポジションについている。

航空業界にいると、こうしたことは決して珍しくありません。

だからこそ、

「自分のことを知っている人が、業界のどこかにいる」

ということを、意識しておいてほしいと思います。

今はまだ、誰にも知られていないかもしれません。

でも、これから海外で仕事をしていけば、必ず人とのつながりが生まれていきます。


第二章 人脈は、作るものではなく積み重なるもの

「人脈を作らなければ。」

そう考える人もいるかもしれません。

でも私は、少し違うと思っています。

人脈を作ろうとして人に近づくより、

まず、目の前の仕事をしっかりやる。

その方が大切です。

一緒に働いた人から、

「あの人は仕事ができる。」

「あの人なら安心して一緒に飛べる。」

「あの人は責任感がある。」

そう思ってもらえれば、その信頼が残ります。

そして、その信頼が次の出会いにつながることがあります。

つまり、

人脈とは、名刺の枚数ではありません。

日々の仕事の中で積み重なった「信頼」そのものなのです。


第三章 履歴書には「人」がいる

海外エアラインへの応募では、日本の就職活動とは少し違う部分があります。

その一つが、

Reference(リファレンス)

です。

会社によって形式は異なりますが、海外エアラインへの応募では、履歴書などに2~3名程度のリファレンス先を記載するケースがあります。

つまり、

「この人のことを知っています。」

という人を、採用側に示すわけです。

ここで大切なのは、単に仲の良い人を書くわけではないということ。

実際に一緒に仕事をした人。

自分の仕事ぶりを知っている人。

上司、機長、教官など、

「この人は、実際にどんなパイロットだったのか」

を話せる人です。

場合によっては、その方に採用側から連絡が入り、

「一緒に仕事をしてどうでしたか?」

と確認されることがあります。

そう考えると、履歴書というのは単なる紙ではありません。

飛行時間や資格を書く一方で、

その裏側には、

「あなたを知っている人」

がいるのです。


第四章 だから、過去の仕事が大切になる

リファレンスの存在を考えると、

なぜ日々の仕事が大切なのかが、少し分かると思います。

今日一緒に働いた人が、

将来、自分のリファレンスになるかもしれない。

今日、訓練を担当してくれた人が、

何年後かに別の会社で再会するかもしれない。

今は何気ない出会いでも、

未来では大きな意味を持つかもしれません。

だから、

「まだ訓練生だから。」

「まだ新人だから。」

ということではありません。

今日の仕事も、

今日の訓練も、

全部、自分のキャリアの一部です。


第五章 良い評判も、悪い評判も残る

この業界の狭さには、もう一つの側面があります。

良い評判だけではありません。

悪い評判も残ります。

「あの人は信頼できる。」

という評価が残れば、それは自分の財産になります。

反対に、

「あの人とは一緒に仕事をしたくない。」

という印象が残ってしまえば、それもまた自分についてくる可能性があります。

だから私は、

今の会社だけを見て仕事をしないこと

が大切だと思っています。

会社を辞めれば、すべてがリセットされるわけではありません。

自分がどんな仕事をしてきたのか。

誰と仕事をしてきたのか。

その人たちから、どう見られていたのか。

それらは、自分と一緒についてきます。


第六章 人脈=コネ、ではない

ここは、特に誤解してほしくありません。

「人脈があるから採用される。」

「知り合いがいるから入社できる。」

そんな簡単な話ではありません。

当然、資格や飛行時間など、会社が定める応募条件を満たすことが大前提です。

そのうえで、

「この人なら一緒に働ける」

と思ってもらえるかどうか。

私は、そこに人脈の本当の価値があると思っています。

誰かに仕事をもらうためではなく、

信頼を積み重ねた結果として、人とのつながりが残っていく。

それが本当の人脈です。


終章 「誰を知っているか」より、「どう知られているか」

私はこれまで、6カ国・5社のエアラインで仕事をしてきました。

振り返ってみると、キャリアを作ってくれたのは、飛行時間や資格だけではありません。

そこで出会った人たち。

一緒に飛んだ仲間。

訓練してくれた人。

チェックしてくれた人。

上司や同僚。

そうした人たちとの信頼関係も、間違いなく自分の財産になっています。

海外エアラインを目指す人に伝えたいのは、

「人脈を作ろう」

ということではありません。

まず、

信頼される仕事をしてください。

一緒に働く人を大切にしてください。

そして、自分の仕事に責任を持ってください。

この業界は、本当に狭いです。

あなたが思っている以上に、

あなたを知っている人は、世界のどこかに必ずいます。

その人が、いつか自分のリファレンスになるかもしれない。

別の会社で再び一緒に働くかもしれない。

思いもよらないところから、新しいチャンスが生まれるかもしれない。

だからこそ、

今日の訓練も、

今日のフライトも、

今日の人との出会いも、

決して「今日だけ」で終わらせないでほしい。

人脈を作るのではなく、信頼を積み重ねる。

それが、海外エアラインを目指すうえで、私が大切だと思っていることです。

そして、その積み重ねが、

いつかあなた自身を次の国、次の会社へ連れていってくれるのだと思います。


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【Author】
Haruo Shibasaki
Founder, Sora Fun Entertainment
Airline Pilot / A320 First Officer
Total Flight Time: 7,000h (A320: 4,000h)


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