【✈️コックピット裏話】 オートパイロット中、パイロットは何をしているのか?

query_builder 2026/06/27 エアラインパイロット パイロット テクニカル 資格 飛行機 エアバス 海外 趣味
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序章

飛行機に乗っていると、

「今はオートパイロットで飛んでいるんですよね?」
「それならパイロットは何をしているのですか?」

という質問をいただくことがあります。

最近ではAIや自動運転技術の進歩もあり、

「将来、パイロットはいなくなるのでは?」

という声も聞かれるようになりました。

確かに現代の旅客機は非常に高度な自動化が進んでいます。

しかし、コックピットの中では、皆さんが想像している以上に人間が重要な役割を担っています。

今回は、巡航中のコックピットの裏側について少しご紹介したいと思います。


Ⅰ 「オートパイロットはいつ使うのか」

旅客機は離陸した瞬間から自動操縦を行っているわけではありません。

例えばA320では、システム上は離陸後100フィート以上、かつ離陸後5秒以上経過するとオートパイロットの接続が可能になります。

しかし実際の運航では、各航空会社のSOP(Standard Operating Procedures)に従って使用します。

天候や空港の状況、運航方針によっても異なりますが、一定の高度までは手動操縦を行い、その後オートパイロットを接続することが一般的です。

着陸時も同様で、早めに手動操縦へ切り替える場合もあれば、悪天候時には自動着陸を行うこともあります。

つまり、

「いつ使い、いつ解除するか」もパイロットの技量と判断の一つなのです。


Ⅱ 「飛行機は勝手に飛んでいるわけではない」

オートパイロットは自分で考えて飛んでいるわけではありません。

出発前、パイロットは飛行計画に基づき、MCDU(Multi-Function Control and Display Unit)へ飛行ルートを入力します。

そこには、

  • SID(出発方式)
  • 巡航ルート
  • STAR(到着方式)
  • 進入方式
  • 巡航高度
  • 性能データ

などが入力されています。

機体はその情報を基に飛行しています。

つまり、

オートパイロットが飛んでいるというより、パイロットが準備した計画を機体が忠実に実行している。

と言った方が正しいかもしれません。

もちろん、飛行中にATCからルート変更があれば、その都度修正を行います。


Ⅲ 「PFとPMは何をしているのか」

いっぱんの方は、「機長が操縦し、副操縦士が補助をする」

と思われているかもしれません。

しかし実際のエアライン運航では、必ずしもそうではありません。

コックピットでは、

  • PF(Pilot Flying)
  • PM(Pilot Monitoring)

という役割分担を行っています。

PFは実際の操縦を担当し、PMは監視や交信、燃料管理などを担当します。

そして、この役割は機長と副操縦士で交代しながら行われます。

つまり、

機長がPMで、副操縦士がPFを担当することも日常的にあります。

PF(Pilot Flying)

オートパイロット使用中のPFは、

  • 飛行経路の監視
  • システムモニター
  • オートパイロットの監視
  • 全体状況の把握

などを行います。

PM(Pilot Monitoring)

PMは、

  • フライトログの管理
  • ETA(到着予定時刻)の管理
  • 燃料管理
  • ATCとの交信
  • 気象情報の確認

などを担当します。

つまり二人とも、

「操縦していない」のではなく、「飛行全体を管理している」

のです。


Ⅳ 「コックピットの会話は意外と普通?」


ここまで読むと、

「巡航中のコックピットでは、難しい航空用語が飛び交っているのでは?」

と思われるかもしれません。

もちろん、ATC交信や運航に関する確認は行っています。

しかし、何もトラブルがなく天候も穏やかな巡航中は正直  です。よって意外にも普通の会話をしていることがあります。

例えば……

「今月何時間くらい飛ぶ予定ですか?」

「次の乗務どこですか?」

「最近忙しいですね。」

また一緒のお泊り乗務なら...

「目的地で何食べます?」

「ホテルの朝食どうでした?」

など、まるで普通の職場の休憩時間のような会話になることもあります。

もちろん、計器や無線には常に注意を払っています。

ATCから呼ばれれば一瞬で業務モードに戻ります。

しかし、数時間に及ぶフライトの中で適度なコミュニケーションはとても重要です。

実際、人間は忙しい時よりも「何も起きない時間」の方が集中力を維持するのが難しいと言われています。

つまりコックピットでは、

「安全を守りながら、適度に会話をする」

ことも長時間運航の一つの技術なのかもしれません。


Ⅴ 「オートパイロットは機長ではない」

現代の航空機は非常に優秀です。

高度、速度、経路を正確に飛行することができます。

しかし、

  • 天候の変化
  • システム異常
  • ATCからの指示変更
  • 緊急事態

が発生した際に判断するのは人間です。

オートパイロットは優秀なパートナーですが、

最終的な責任を持つのは常にパイロットです。

だからこそ、オートパイロットが飛行している時間も、パイロットの仕事がなくなることはありません。


結び

「オートパイロット中、パイロットは何をしているのか?」

その答えは、

監視し、管理し、そして安全を維持している。

と言えるかもしれません。

静かな巡航中のコックピットでは、二人のパイロットがそれぞれの役割を果たしながら、安全な空の旅を支えています。

飛行機が何事もなく目的地へ到着する。

その「当たり前」を守ることこそが、パイロットの最も大切な仕事なのです。


代表の一言

私が以前勤務していたエアラインでは、深夜便や早朝便など不規則な勤務が続く中で、いかに通常のパフォーマンスを維持するかが常に求められていました。

コックピットの中には、一般の方が知らないルールや考え方が数多く存在します。

その多くは意外に思われるかもしれません。

しかし、その根底にあるのは常に「安全」という考え方です。

今後も、普段なかなか知ることのできないコックピットの裏側や航空業界のリアルをお伝えしていきたいと思います。

飛行機に乗る時の景色が、少し違って見えるかもしれません。✈️


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【Author】
Haruo Shibasaki
Founder, Sora Fun Entertainment
Airline Pilot / A320 First Officer
Total Flight Time: 7,000h (A320: 4,000h)

▶ Profile
https://sorafunentertainment.com/greeting/

▶ Free Consultation
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